東野電気(株) TONO UM-150W 修理

 2013-08

1980年代販売の、東野電気(株)430MHzリニアUM-150Wが壊れている。
トランジスタが不良らしく、出力が少ないし、トータル電源効率も26%と悪い。

カタログ1
(画像)
カタログ1

カタログ2
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カタログ2

製造メーカーも廃業?か、近年雑誌に広告が無いし、これは直営修理しか道は無いと考えた。
ローカルの大OM(YB(自分)、OM、大OM、超OMのローカル局序列)に御伺いを立てると
「2段式アンプ故障はドライバーよりファイナル不良が圧倒的に多い」
との御言葉を賜った。
「ははあ!有難き御言葉。拙者、御忠告、今後肝に銘じまする」 OM orz。

UM-150W正面
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UM-150W正面

ファイナルの三菱2SC3102はポピュラーな石で、メーカー使用例(三菱2SC3102の独壇場?)も数多い。
ICOMの3シリーズ、9シリーズのDタイプ50W出力には、三菱2SC3102を2本ファイナルに使用している。

手持に使用トランジスタが一本も無いので、Webで探し始める。
所が如何せん古い製品の為、最近はFETが取って代わり、国内では販売終了で在庫無しだった。
海外には在庫やジェネリック製品?もあったが、英語が出来ないので輸入は止めた。
暫く探しているとラッキー!。何とネット・オークションに出てた。
ドライバー段のQ1 モトローラMRF646もある。
まずは最初に、最も怪しいファイナルの三菱2SC3102を入手してみた。
製造メーカー使用はhfe等選別品取付だが、Web入手品は交換後ちゃんと働くかが心配だ。

品数は揃ったが一個3千円以上もする。ファイナルは二個共不良か?、片方一個か?思案どころだ。
今までの経験上hi!で、無駄に正常良品なのを交換するのも忍びない。
良い測定器も持ち合わせが無いので、人海戦術?に出てみる。
動作させて、トランジスタを順に指で触ってみた。すると、他の2個より冷たい2SC3102がある。
今までの経験で、冷たいのが不良?温かいのが不良?の両方が在った。
不良判定に困ったが、「トランジスタは電流で働く」を思い出す。
今回は2対1の多数決で、「壊れて電気が流れないので冷たい」と不良判断を行う。
勘が当たるか?修理の第一番目に、冷たいQ5 2SC3102を交換する事にした。

修理開始する。
2SC3102は、放熱器からネジだけ外せば交換出来そうだ。周囲の部品取外しにかかる。
写真を取り、物忘れ事故(認知症?)に備える。

2SC3102のコレクタ出力に、2本共29mm×19.5mmの真鍮板と銅裸線が取付けてある。
同調用、放熱用、シールドorトラップ?私の頭では設計意図不明だ。
このスタイルはUM-150Wだけで、UM-70Wや東野の他シリーズ、THPを調べても同様の取付は無かった。

コレクタの真鍮板1
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コレクタの真鍮板1

再取付(半田付け)が難しいので、適当爺さんは深く考えずに取外した。
修理完了後、Q4 2SC3102の真鍮板も外してみたが、出力等、別段変化は無かった。
「まあ~変わらないので良いや。」と独り言爺さん。

コレクタの真鍮板2
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コレクタの真鍮板2

2SC3102交換範囲のコンデンサーを容量と場所を確認して取外す。
コンデンサーは、古い機械なのでセラミック型を使用していた。
図体が大きいから扱いはチップ型より楽であるし、印字を読むのも虫眼鏡(弱視、老眼!)が要らない。

2SC3102取外しは、半田ゴテ熱容量が小さいと、熱でパターンを剥がす恐れがある。
特にベースとコレクタのパターンは同調回路に含まれるので、剥がさない様に細心の注意を払う。
今回は、少しエミッタ側パターンを剥がしてしまった。赤丸内。アッチョンブリケ。
アース回路なので、半田盛り付修理でOKとすることにした。
「まあ~働けば良いや」とまた独り言爺さん。歳を取ると独り言が多くなるな~?

不良2SC3102取外後
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不良2SC3102取外後

不良2SC3102除去は、パターン保護を最優先に、最初に電極を切断してからセラミック本体を除去した。
残りの電極は、コテ先が滑って他の部品を壊さない様に、細心の注意を払いながら半田を取る。
更に新2SC3102が水平に取り付く様に、半田吸取り機で、パターン上の凸凹半田を出来るだけ取り除く。
手が足りない。猫の手も借りたい気分になるニャー。

不良2SC3102
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不良2SC3102

基板をシャーシ兼放熱器に仮取付し、新2SC3102の位置合わせを行う。
左右エミッタ電極が少々長いので、パターンに合わせて金切ハサミで切詰める。
ニッパーだと刃先が短くて一回で切断出来ない事があり、電極を痛めたり折損する恐れがある。
交換時の要注意点だ。

新2SC3102位置合わせ
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新2SC3102位置合わせ

通常、半導体の取付と半田付けは工作の一番最後に行うが、今回は最初に2SC3102を半田付けした。
電極が幅広なので、パターンに半田が流れ凸凹になると旨く電極を半田付け出来ない。
次にコンデンサーと、出来るだけ短時間で半田付けを終了させる。
この後トランジスタ3個に、たっぷりシリコングリス塗布を行い、シャーシ兼放熱器に取りつけた。

交換後
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交換後

四苦八苦して何とか交換出来たので、動作確認作業に移る。
何年か前を思い出し「作業の後確認。ヨ~シ!」と指差呼称。いつも通り異常無しの大嘘こんこんちき。
リグ、電力計、ダミーを繋ぎ、電源オン。
カチカチ山の狸やインデアンの狼煙の発生はなかったので、一先ず安心の「ココロのボス」「キモサべ」。

アル中ではない震える手でPTTオン。

RF入力を加えると、出力が頭打ち無く、比例して伸びて行く。修理前とは一味違うリニア感覚の手応えだ。
修理前出力を軽く更新し、出力はなんと修理前の60%アップに。トータル電源効率も39%になった。
三石使用だから非常に良い値だと自己満足する事にした。
ビンゴ!、Q5の2SC3102が不良だった。

「ウ~・ヤ~・タァ~!(やった~!)」と、老年ジェットは入歯の口で雄叫びした。

Q4の2SC3102も交換すると、さらに出力は上がるだろうか?。
「まあーこれで動くからいいや」と独り言爺さん。
自分的にはこれでOKとし、他の素子劣化は更更考えないことにした。

ローカルからは「RDUにしては今回とても珍しく良く出来ました」と拍手喝采のオベーションを頂戴した。
(と自分で思う事にする? hi)

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